進級!
ついに、高校生の僕にも後輩ができました。
僕は、”後輩という立ち位置”の人がどうも苦手です。
僕には人に偉そうに文句を言ったり、指図はできませんし、誰かに敬われるような人物でもないです。
それなのに先輩と後輩という歴然とした「差」を作ってしまうと、どうも申し訳なく思えてきます。
だからといって気を使わなくていい、敬語でなくてもいいよと言ったところでどうにかなるわけでもないですし…難しいところです。
そういった意識がどんどん後輩への苦手意識を顕在化させていき、この頃は中学の頃に後輩だった人とは関わりたくないとまで思えてきました。
自分の性格がどんどん個性的になり、心があんまり弱い僕はあまりたくさんの人に自分をさらけ出したくありません。
普通のようにふるまっていても個性が出てくるので、どうもそれに対して軽蔑や罵倒の念を抱く一部の人の存在を恐れているように思います。
敬われなくてもいいけど、軽蔑はされたくありません。
そんなことを考えながら今日を過ごしてきました。
放課後になり、僕の所属する美術部と書道部を兼ね備えた「芸術部」にも体験入部者はやってきました。
この芸術部は大変消極的に活動をする部で、僕はのんびり話をしたり、絵を描いてみたり、バンド活動に向けて考え事をしたり、検定やテストに向けて勉強をしたり…いろんなことをしています。
今日そんな部活に体験しにやってきたのは女子4人。
後輩に対しての先程のような恐れをなくしたいと思ったのかただ張り切ったのかは分かりませんが、僕は先生の要求する、”彼女らへの部活動の紹介係”を買って出ました。
自分の後ろを後輩がついてくる、と考えるだけで至極緊張ものでしたが、それなりにきちんと案内ができたように思います。
相手が先輩だから、いやな思いをしていても顔や口には出さない…などとは思われたくないので、色々なことを考えながら話をしていましたが、どうやら入部してくれるよう。
僕のおかげでもせいでもないのでしょうが、内心ほっとしています。
自分のせいで誰かに迷惑をかけたくないし、いやな思いなんてさらさらさせたくない。
これから彼女らが入部したときには、後輩の信頼を早く得たいのでこちらから仲良くしていきたいと思います。
自分に後輩ができたこと、自分にも入学したての時期があったことを思い、なんだかとても初々しい気持ちでいます。
彼女らを迎え入れ人数の増えた芸術部でこれからも楽しく個性あふれる部活を盛り上げていきたいところです。
ありがとうございました!